2022年9月26日に、NASAの宇宙機は小惑星に衝突させるミッションが行われます。これは事故ではありません。宇宙機は、将来的に致命的な衝撃から地球を守る惑星防衛をテストする目的で衝突させられます。
DART (二重小惑星軌道変更 実証実験) ミッションは、2021年11月にSpaceX社のファルコン9ロケットによって打ち上げられました。ターゲットとされたのは、小惑星ディディモスの衛星にあたるディモルフォスです。幸運なことに、ディディモスとディモルフォスは現時点で地球との衝突の可能性はありません。
ディディモスは地球から約1100万kmにあり、天文学的見地によれば地球から近いために、実験対象の有力候補とされました。
Credit: NASA / JHU APL
今回のゴールは、ディディモスを消滅させることではありません。毎秒6 kmを超える十分な速度で、宇宙探査機を対象衛星に衝突させてその軌道を変更させることがねらいとされています。このように何かをぶつけるだけで、潜在的な危険をはらむ衛星の軌道をそらせ、地球の安全を保つことが可能になります。
今回のイベントにおける最大の見所は、Unistellarの望遠鏡で、この衝突の模様を観察できることです!DARTミッションは、2022年9月26日の午後7時14分(EDT時刻)に予定されています (CET時刻では9月27日午前1時14分) 。この模様は、アフリカ、南アジア、東南アジア、および中東地域の一部から観測できます。アマチュア天文学者にとっては、その前後期間を含め、ミッションに立ち会うことのできる機会が訪れます。人類初となる小惑星の軌道変更ミッションを実際に目にするチャンスとなります
Credit: NASA / JHU APL.
NASAのDARTミッションによって、地球を守る惑星防衛の専門科学者に向けて、地球近傍天体の衝突から地球を守るための貴重な情報が供給されることになります。この機会をお見逃しなく!